派遣社員の実状

派遣社員という雇用形態があります。
雇用先と一定期間の雇用契約を結んで長期での雇用の場合、更新をすれば同じ職場で働く事が可能です。
しかし、業種によっては期間従業員のように2年11か月まで雇用継続が可能だったりと同じ職場で働くにあたっては期間の制限があるケースもあります。
当然ですが、自分が働きたいと思っていても企業側が契約満了とすれば派遣社員として同じ職場で引き続き働く事はできません。
不安定な雇用形態がデメリットでもある派遣社員で働く人は何故働くかというと、正社員とパートやアルバイトにない魅力もあります。
正社員のように転勤や異動の辞令がない為、契約した職場で安定して働く事が出来るという点では異動や転勤を好まない人には向いているでしょう。
また、条件を自分の理想に近い形で探せるので仕事に対してこだわりを持って探す事が出来ます。
アルバイトやパートよりは時給が良い為、短期間でも稼ぎやすいといった点もあります。

パートの方が自分にあっていると考える女性

しかし、派遣社員はいつまで不自由なく暮らしていけるのかというと、生涯派遣社員として働く事は出来ます。
能力さえあれば、どこの企業も手が出るほど欲しい人材になるでしょう。
基準を満たせば厚生年金にも入れるので定年後も安心ではあります。
正社員と違う点はボーナスや退職金がない事や必ずしもブランクが空かずにどこかに派遣され続けるには並大抵の努力では難しい部分でもあります。
どんなに優秀な成績を残している人でも企業の経営が上手くいかない場合、すぐに人件費を削る為に契約満了の対象になりやすいです。
金銭面においても正社員よりは貰える額が少ない分、働けなくなった場合や将来に備えなければならない不安がいつまでも付きまとうでしょう。

派遣切りは未だに存在する?

誰が派遣切りにあうのかわからない状態派遣切りが問題となり、一時大きな話題となっていた時期がありましたが最近はあまり話題にならなくなったので少なくなってきたのかなと感じている人も多いのではないでしょうか。
たしかに最近では景気も上向き加減で、業績も好調な企業が増えてきているので派遣社員が切られることも少なくなってきたため、このような問題がおとなしくなってきているのは事実です。

しかし、その一方で派遣切りが未だに存在しているというのもまた事実となっているのです。
景気が上向き加減と言っても余裕のない企業は多いものですから、そのような余裕のない企業というのはいつでも契約を終了させることができる派遣会社を利用することになります。
そして、そのような会社が業績が悪くなってきた場合であったり、あるいは別の場所からもっと優秀な人材を連れてきた場合などに、真っ先に切られるのが派遣社員ということになります。
企業側からすればそのような時のために、派遣という仕組みを利用しているわけですからこの事自体を避難するということはできません

問題となるのはここからであり、このように契約が終了してしまった時に仕事を紹介してくれる派遣会社がすぐに次の職場を紹介してくれれば良いのですが、それがない場合には急に職を失ってしまうということになります。
そして、そのまま次の仕事が見つからずに路頭に迷ってしまうという人も決して珍しいものではないのです。
これはどのような企業や人に当てはまるわけではなく、労働者の事をよく考えている企業もあれば能力が高く正規雇用でも仕事が見つからなくなることは無いという人も少なくありません。
しかし、その一方で未だに派遣切りにあって苦しんでいる労働者の数も多いのです。

人材派遣会社に今、求められること

平成27年の派遣法改正によって、特定派遣として運営している派遣会社には辛い状況が迫ってきました。
これまでは一般型と特定型に分かれていた派遣会社が、改正法施行の3年後には一般型に統一されることとが決まったためです。
これは会社設立時の高額な資本金額が設定されている一般派遣と、その制限がない特定型にわかれていたものを一本化し、平成30年には特定型の廃止をするというものです。
つまりは現在運営している特定型にも莫大な資金の準備が求められることとなったため、今後は特定型で運営していた事業所が次々と撤退していく見込みです。
新たに設立する事業所だけでなく、すでに運営実績を持つ事業所に対しても減額などの措置は取られる予定はないようです。
雇用形態を気にせず仲良くする社員たち小さな事業所においても抱える派遣社員は存在し、社員と事業所の信頼関係が築かれている場合もあり、派遣業からの撤退を余儀なくされる事業所側は悔しさを感じる状況です。

紹介予定は禁止されているため、同じ職場での勤務は継続不可となり、行き場をなくした社員が溢れることは間違いないと言えます。
労働者の権利を守るための法律が、このような結果をもたらすことは違和感以外のなにものでもありません。
不祥な事業所が横行している特定型を撲滅するためには致し方ない措置としても、真っ当に運営してきた事業所にとっては納得のいかない改正だと言えます。
今後はすべての派遣会社が一般型となることでクリアになる問題もありますが、その背景には職を失う社員や事業所が多数発生するということも事実です。
国会には現場の声が正しく届いていない、もしくは届いた声を無視しているとしか思えない法律のありかたに疑問を感じます。

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